ユニオン学習会を開催

 11月27日(水)午後6時半から、ユニオン事務所にて、ユニオン学習会を開催しました。今回は仲松大樹弁護士(みずほのまち法律事務所)を8月31日に続いて講師にお招きし、「働き方改革一括法を学ぶ②均等均衡処遇編」をテーマにして行ないました。平日夜ということもあって、参加者はやや少なめでしたが、格差を体験してきている組合員が複数参加したことによって、より内容豊かな学習ができました。ただ、講演内容は難しかったので、とらえそこなっているところもあるかもしれませんが、まとめてみます。

 

 

 

 講演ではまず、「均等均衡処遇」法改正の趣旨について、短時間・有期雇用労働者の待遇格差の「改善」が、労働生産性向上や必要な時に労働力を調達するという企業の要求に沿っているとともに、労働者にとっては、多様な働き方・待遇改善という要求に沿っている面があるとはいえ、不安定化による労働者の対立や権利の突きくずしになりかねない危険性もあるとし、前提的に日本の現状が相当危機的だという認識が必要だ、としました。そのうえで、均等・均衡待遇の意味について、均等という場合は「等しい」ものを「等しく」という意味で、均衡という場合は「違う」ものを「違いに応じて等しく」という意味だとし、「等しい」ことの立証の難しさという前提的な問題があるが、核心は、差別を禁止したり、違いに応じて比例的に扱ったり、ということだ、としました。

 

 

 

 そのうえで、仲松弁護士が担当している参加者の例も引きながら、法改正の具体的な説明を行ないました。パート労働者と有期雇用労働者を対象にし、両者の統一的な均等均衡処遇制度を謳った「パート・有期労働法」については、均衡待遇については、基本給・賞与その他の待遇それぞれについて問題にするとか、不合理性の判断について、待遇の性質・目的に照らして適切と認められるものを考慮するとかとしたことに意義があるとし、均等待遇については、職務内容の同一性や、職務内容と変更の範囲が同一の範囲で変更されることが見込まれるかを要件として判断するという意味だとしました。そして、特に重要なのは、均等均衡待遇の実現のために事業主の説明義務が謳われていることを活用することだ、としました。

 

 

 

 さらに、派遣労働者を対象とした労働者派遣法については、パート・有期労働法に準じた均等均衡処遇制度を単なる努力義務でなく義務として謳っており、派遣先で同じ職場で働いている労働者同士が福利厚生面で差別されることの是正や、派遣先への追求や派遣労働者の組織化に役立てられる面もあることを指摘しました。

 

 

 

 以上の講演を受けて、質疑応答に移りました。氷河期世代などの現状や既存の法律との関係などの一般的な問題や、非正規労働者の体験を持つ参加者たちの個々の問題についての、法律の専門家の立場からのアドバイスとかも交えた、活発な意見が出されました。

 

 

 

 こうして、学習会は午後9時前に終了しました。意義ある学習ができて、講師・参加者の皆さん、ありがとうございました。次回は未定ですが、外国人労働者の拡大とも関係して、差別されがちな外国人問題をテーマにするという提案もあり、今後検討していきますので、意見を積極的に出していただくよう、お願いします。

 

 

 

<追記>次回の学習会は、上記の提案通り、外国人差別についてです。1月11日(土)午後1時から行ないますが、外国人問題なので、外国人の多い三河支部でいつも会議を行なっている岡崎げんき館で行ないます。国籍による賃金差別についてと、仕事の中・暮らしの中の差別についてとをテーマに行ないます。外国人組合員の率直な意見を出してもらえればと思っています。外国人組合員も、日本人組合員も、ともにぜひ参加してください。

Follow me!