A社☆団体交渉「団体交渉編その1 “残業は15分単位?”

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 私は名古屋ふれあいユニオンにこの春加入した、東三河在住の会社員。この名古屋ふれあいユニオンと共に、在籍するA社と団体交渉計7回、現在も話し合い重ねています。

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2022年6月、第1回団体交渉が行われました。A社の参加者は、3名の役員のうち、1人の役員。私の所属部署の次長。代理人弁護士2名の計4名。私たちユニオンは、当事者である私、組合役員2名で、計3名。

 

前回のブログ「決定!団体交渉」にあるとおり、事前にA社に送付した団体交渉申し入れ書。

私は「過去、不正・不公平な労務管理や給与の支給を指摘し、改善を求めたが、A社は問題をうやむやにした」こと主張をしたのですが、それに対しA社側は「当社内の給与が一部従業員に不正に支給されていたことや残業代支給で一部従業員に不公平な対応がされていることについて、内容が明らかではありません」と説明を求めてきました。問題となった事案ですので、会社も当然知っていることですが、弁護士にそれらの話を説明していない?

残業代といえば、大手企業が、賃金の支払いについて、これまでの5分単位から1分単位に変更したうえで、過去2年分をさかのぼり、5分未満の勤務の未払い金を従業員に支払うことを決定したというニュースがありました。

一方、A社の残業時間。「15分単位」で「15分未満切り捨て」で計算されていますが、2021年3月までは「30分単位」で「30分未満切り捨て」でした。

私が申し入れ書に記載したのは、A社において、2020年の一時期、一部社員だけを対象に、残業代が1分単位で支払われていたという事実です。「公正に欠くのでは?」という私の追及をうけた給与計算担当者は「役員の1人から、彼らだけ1分単位で計算しろと口頭で指示があったから」と主張。別の役員は「経営者の指示があったのなら、僕はそれ以上何も言えない」と“すべてはオーナー役員の一存”という姿勢を崩しません。オーナー役員の口頭指示は、労働基準法よりも上!という考えです。多勢に無勢、私の指摘は全否定されました。

ところが翌日。顧問社労士に、その公正さを欠く計算方法の可否を仰いだ給与計算担当者が「やっぱりダメだって」と私に報告をしてきました。

その後、全員が1分単位の労働時間計算になったかというと、いいえ。全員が元の30分単位に統一され、この不公平問題は収束?しました。

 

 

話は団体交渉に戻ります。

会社側弁護士が「誰が15分単位での計算を指示したのですか?」と、まるで私が15分単位を指示したのではという疑念をもってか、追及を始めました。

 

私「5年前に入社した当初から、自分の手書き出勤簿も、社員の計算業務も15分単位の指示です。えぇ、当然労働基準法に抵触するので、就業規則にも明文化されていません。」

弁護士「あなたに15分単位の指示を出したのは具体的に誰ですか?」

私「会社です。私は直属の上司である課長からです。」

ここで会社役員と次長、

「残業時間は、基本的には従業員が申請してくるものなので、15分と言われたら、15分。18分なら18分残業したのですねと申請のとおりみていた。一応、裏のルールといいますか?15分単位で申請しろとか、会社として命じているつもりはないです。」

さらに「あ、すみません。私は勤怠を見ていないので、ちょっとわからないです。誰が見ているのか?それなら〇〇という者です」と、この場にいない課長の名前を出す。

 

いわゆる「ブラック企業」といわれる会社は、法律違反をしていることも多く、劣悪な労働環境が明るみに出ないように、就業規則や契約書などに証拠は残さないようにしていることが多いのです。さすがにブラック就業規則認定をされるような記載を就業規則にすることはないか…。いや、記載はありました。

 

A社、就業規則47ぺージ、「フレックスタイム制度規程」第11条に“1日の労働時間の単位は15分とする”です。これのもととなるA社と社内労働組合が結んだ「労使協定」にも、“1日の労働時間の単位は30分とする”と、こちらは2021年4月の改定がされないまま残っています。←そもそも社員への労使協定周知義務も守られていません

 

「それはフレックスタイム制対象者だけのことで」云々と再度弁明をされるのも手間なので、追加しておきます。上層部社員や店長らが出席するA社の2022年3月「経営会議資料」104ページにも、残業単位30分から15分に移行するという記載があります。先述の「私は勤怠をみていないので、ちょっとわからないです」と発言した次長の名で作成された資料です。

 

労働時間の切り捨ては「賃金全額払いの原則」、残業時間は「黙示の指示」で検索して参考にしてください。会社や上司や顧問社労士が何と言おうと、労働基準法の水準を下回る就業規則は「ブラック就業規則」だと思います。

 

以上

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