NDS抗議行動、など

 27日(水)午前11時すぎから、当ユニオンは、団交を拒否して問題解決に誠意を示さないNDS株式会社(名古屋市中区)に対して、抗議行動を取り組みました。当事者の組合員や、支援にかけつけた愛知連帯ユニオンらの方々も含め、10数人が参加して成功しました。

 

 

 

 私たちはまず、午前11時過ぎに、鶴舞駅近くの、NDS株式会社の本社のあるビル前に集まり、応対した社員の方に対して、ビル前で抗議のための宣伝行動を行うことを通知したうえで、11時半から宣伝行動を開始しました。さる16日(土)午後、東海ネットあいち連絡会の会議があり、そこで東海ネットの県内団体同士の協力を再確認したことにふまえ、愛知連帯ユニオンも宣伝カーで街宣をしたり、ともにチラシを配布するというように協力してくださいました。宣伝行動は、当ユニオンののぼりを立て、「NDSは不当な雇い止めを撤回せよ!」と題し、この不当雇い止め事件について説明したチラシを配布しながら、当ユニオンの各参加者がリレートークを行う形で行い、途中で連帯ユニオンの方にも話してもらいました。

 

 

 

 この雇い止め事件とはどういう事件かというと、NTT西日本の子会社の契約社員だったAさんが、NTTの工事などを扱う通信設備大手で、名古屋に本社をもつNDSに、働いていた場所は変わらずに17年7月から移籍したのですが、その際に1年契約だが60歳まで雇用は保証するという説明を受けて同意したにもかかわらず、6月半ばに、次の更新は3カ月契約で、9月末での雇止めだ、と通告されました。Aさんは納得できず当ユニオンに加入して団交を行ったのですが、会社の説明はAさんの事実認識と全く異なり根拠薄弱なばかりか、雇止め通告の2か月前に傷病手当金請求を申し出たことを問題行動であるかに対応するなどというように、不当であるうえに、代理人弁護士任せにし、さらに団交拒否を今日まで続ける、という不誠実な対応です。Aさんは会社の不当な仕打ちに精神的にも打撃を受けながらも、解決を目指して、この抗議行動を行うことに同意し、自ら参加したのです。

 

 

 

 沿道は一昨日の全国での緊急事態宣言解除、昨日の県独自の緊急事態宣言解除も影響してか、人通りがやや増えており、正午にはビルからNDS社員も出てくるという中、チラシは受け取りは良く、この会社はひどいね、と声をかけてくる方もいました。そして、リレートークでは、団交に参加してきた委員長らがこの事件の概要を怒りを込めて紹介し、また愛知連帯ユニオンの方や、参加した組合員はそれぞれ、このコロナ危機で非正規労働者への不当な扱いがますます全国的に大問題になっている中で、大企業であるNDSが非正規労働者を簡単に切り捨てている問題性を訴えました。そしてとりわけ、当事者のAさんが、考え抜いた言葉で思いを込めて会社の誠実な対応を希望する旨を訴えたのは感動的でした。会社が、誠実な対応により問題解決の方向に転じ社会的責任も果たしてほしいと思います。

 

 

 

 1時間にわたって抗議行動を行って終了しましたが、その後引き続き、相談・団交、新聞社の取材、が予定されていました。筆者は別れ、現在、このブログ記事を書いており、また今日不参加だった三河支部長は明日の碧海工機の団交の準備を進めているでしょう。また、昨日、派遣会社マルサンとの団交を刈谷で行いましたが、会社側は仕事がない、となかなか厳しい団交だったとのことです。ユニオンみえの取り組みも今日の「NEWS23」で報道されそうで、他方、愛知労働局との面談も6月に入って実現しそうです。緊急事態宣言解除の会見の中で、安倍首相はトヨタ社長同様「百年に一度の危機」という言葉を使いましたが、だんだんこの言葉は耳になじんできてしまいました。恐ろしいことです。だから仕方ない、ではなく、自分が悪い、でもなく、SNSで足を引っ張り合うのでもなく、身近な人間を敵にして一時の憂さ晴らしをするのでもなく、何かに逃避するのでもなく、何とか、現実の中で、フォローしあいながら、がんばりましょう。

 

 

 

<追記>上記の「NEWS23」で、ユニオンみえが取り組んでいる外国人派遣労働者の雇止め問題が報道されました。外国人などの「派遣切り」(「コロナ切り」)が5月に急増し、その例として、ペルーやフィリピン国籍の労働者が、雇止めで家族の生活が大変になってユニオンに相談し、ユニオンが交渉や抗議行動に取り組んで打開を図っている姿を採りあげ、神部書記長が、都合良く利用したあげくに労働者の人生を簡単に切り捨てていくことへの怒りを込めて訴えてもいました。派遣会社との団交の様子も映しており、会社が雇止めに同意したとする書類は本人が言葉もわからないままサインしたものだと認めざるを得ず当面の補償を実現したことも報じていたのは珍しいと思われましたが、こういう例は当ユニオンでも繰り返されており、「またか」と思わざるを得ませんでした。こういうことが末端で起こっているのに、先端を行くとして、次のニュースではITを活用しての「スーパーシティー」構想だって!? 便利で安全な監視社会というのは、何かを犠牲にし、耐えさせる社会じゃないんですかね?

 

 

 

<追記2>上記での愛知労働局のとの面談は、東海ネットあいち連絡会と愛知労働局・愛知県交渉として、6月11日(木)午前10時より、愛知労働局にて行います。よろしくお願いします。

 

 

 

<追記3(21年4月)>上記のNDSの闘いは、その後、労働委員会でのあっせんが成立し、闘争終結に至りました。ご報告が遅れましたが、ご支援ありがとうございました。

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