労働法制改悪反対実行委学習会に参加

 9月17日(火)午後6時半より、名駅近くの名古屋法律事務所で、労働法制改悪反対実行委員会主催の学習会が開かれました。私たちも参加するコミュニティユニオン東海ネットワークも構成団体の一員であるこの労働法制改悪反対実行委員会は、このかん、労働法制改悪反対の取り組みを行なってきましたが、今回、導入が検討されつつあり、労働者・労働組合にとって重大問題である「解雇の金銭解決制度」についての学習会を、東海労働弁護団の白川秀之事務局長を講師として行ないました。十数名の参加でしたが、うち半数近くを当ユニオン員が占め、積極的な関わりが光りました。

 

 

 

 講演に先立ち、最近の労働法制に関する動きを確認しました。緊急な対応を要する問題は特にないようでしたが、この解雇の金銭解決制度に関しては、労働政策審議会に先立ち検討会が開かれ(直近では6月)ているという現状になっています。そして6時半からの講演は、この制度について、ポイントを押さえていました。

 

 

 

 まず解雇に関しては、解雇を争う手段としては、労働審判と訴訟があり、その解決の大部分が金銭による解決という現状になっていることを確認したうえで、解雇の金銭解決制度についての説明に移りました。解雇の金銭解決制度とは、解雇が無効になった場合、一定の金銭を使用者が労働者に支払うことで雇用関係を終了させる制度であり、この制度導入の賛成意見を経済同友会らが述べ、反対意見を日本労働弁護団らが述べていることが紹介されました。そして、「検討会」では、導入を前提とした法的問題点の整理となっており、立法化に向けての土台作りをしている、という危険性を訴えました。そして、「日本は解雇が難しい国」というまかり通っている議論について、OECD(経済協力開発機構)が示している「雇用保護指標」によれば、日本は雇用保護が相当緩い国であり、解雇の金銭解決制度が導入されることでモラルハザードが起こる危険がある、と批判しました。そして最後に、金銭解決は現行の制度で可能であり、議論されている制度は解雇無効の判決をかちとるという容易でない方法をとったうえでの制度でしかないということをアピールし、また、日本は諸外国と比べても解雇をしやすい状況にあり、制度導入によるモラルハザード回避の必要を訴える、という今後の運動のありかたを提起して、一時間を超えての講演を終えました。

 

 

 

 その後質疑応答に移りましたが、法的にも不明確な点が多く、賛成意見で労働者の申立権や泣き寝入り防止など、あたかも労働者の利益になるように言われていたり、金銭解決を法制度化して使いやすくするだけであるかのように言われていたりすることはごまかしだとか、そもそも経営側が解雇などを云々することが労働者にとっては認められないことだとか、の質問・意見が相次ぎました。

 

 

 

 午後8時過ぎ、学習会は終了しましたが、今後とも、この問題にも取り組んでいく必要を考えさせられました。参加した皆さん、お疲れ様でした。

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