反貧困ネットワークあいち第13回総会に参加

 6月18日(土)午後1時半より、金山駅近くの労働会館にて、反貧困ネットワークあいちの第13回総会が開かれました。反貧困ネットワークあいちは、08年以来の「派遣切り」の横行に対し「反・貧困」を掲げて10年に結成されたネットワーク組織で、当ユニオンも当時から協力してきました。筆者はZoom参加でしたが、30名規模の参加者の様子でした。

 

 総会は開会あいさつから始まり、議長選出の後、議事は、昨年度の活動報告と今年度の活動方針の提案、昨年度の会計報告と監査報告、今年度の予算提案、役員選任、と進み、折々に質疑を交えた後、最後に議案は承認されました。先日の当ユニオンの定期大会と議事の形式は似ていましたが、内容は特徴がありました。活動報告と方針では、生活保護問題と子どもの貧困問題と居住福祉問題を重点的に取り組んでいることを確認できましたし、役員選任では、幹事に当ユニオンから1名参加していますが、引き続き選任していただきました。

 

 総会は1時間程度で終わり、休憩後、記念講演に移りました。講演は「コロナ禍と居住の貧困~居住困窮の対策を考える」という演題で、岡本祥浩さん(中京大学大学院経済学研究科教授)にお話ししていただきました。岡本さんは反貧困ネットワークあいちの居住福祉問題にも関わっていただいていることもあってか、具体的な話も交えてわかりやすかったです。講演は、就労自立策の破綻と問題点をふまえ、対抗策を考えることを狙いとし、1 コロナ禍の居住困窮の実態~就労自立の限界 2 居住困窮の背景~住居をめぐる状況 3 就労自立の困難~輻輳する居住困窮の要因 4 居住困窮への対抗~大曽根住宅を例に という構成で行われました。

 

 筆者が印象的だったのは、住居が私たちの生活の重要な基盤なのですが、特に日本は、住宅の量は多いのに、居住福祉という質の面から見ると問題が多く、そのひずみは、就労して自立しろ、住まいも自分で何とかしろというような、居住困窮に陥っている人に集中していることと、こうした居住福祉の貧困状態に対して、「居住の権利実現の糸口」として、名古屋の大曽根住宅を実例に挙げて、憲法25条の生存権に示される権利を実現しようとがんばっている実践例が紹介されたことでした。質疑でも居住をめぐって行政と交渉してきた方の質問があったりして、学ばされました。

 

 貧困問題は、住宅問題もそうですが、労働組合とは課題は直接はつながっていないかもしれませんが、関連していることは、私たちも感じながら活動しています。住宅問題については、借家住まいの筆者も、個人的にも他人事ではありませんし、最近話題のNHKドラマ「正直不動産」を観ていて、不動産屋さんの仲介で家を借りる際にその不動産屋さんの営業トークに素人としてただ従っているだけではダメだと反省させられたりもしています。今後も、貧困問題を、労働問題と関連した問題としてとらえながら、協力してがんばっていこうと思わされました。皆さん、今後もよろしくお願いします。

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