三河地方の分会などの最近の取り組み
9月5日の三河支部会議で確認したように、三河地方の各分会・個人は取り組みを進めています。とりわけ分会について、6月3日の記事「「分会の取り組みについて」)以降の三河支部関連の分会などの最近の取り組みについて報告します。
まずブラジル人分会については、碧海工機(西尾市)分会は、5月18・19日の仮処分裁判や、7月9日の労働委員会での「勝利的和解」をつうじて、雇い止めされようとした通算契約期間が5年未満の分会員の職場復帰を基本的に実現しました。そして、8月7日に昨年春以来1年余り進めてきた大量雇い止め撤回の闘いの勝利と意義を確認する闘争勝利報告集会を実現したことにふまえ、職場復帰した分会員と、5年を超えていて雇い止めをすでに撤回できていた分会員とが、新たに選出された分会長を先頭に団結し、職場での賞与や退職金などの、日本人正社員と格差のある労働条件や、暑くてたまらないなどの職場環境の改善など、職場での闘いを進めていく準備を進めています。
また浅賀井製作所(安城市)分会は、日本人正社員との差別賃金を問う裁判を7月15日・9月8日と継続中ですが、「同一労働同一賃金」の理念にふまえ、日本人正社員と同じような仕事をしていることを証明するための職務分析を行いながら、また、退職金問題などを取り組もうと、関連会社にも分会を拡大しつつあります。次回の裁判は10月28日(木)で、名古屋地裁で行っており、名古屋まで出かけながら、奮闘中です。
またヒサダ(安城市)分会も、職場で相次いだ負傷事故を、労災として適切に対応するよう求める団交や、出産後の復職の条件をめぐっての団交を、8月末と9月初めにそれぞれ申し入れ、後者に関しては9月14日に団交を行いました。このように個々の分会員の課題を取り組みつつ、同時に、手当など、賃金面などの職場要求を実現していこうとしています。
また近藤工業(豊田市)分会は、手当・退職金についての改善を求め、また賞与についての過去の合意をきちんと実現するよう求める団交を8月9日に行いました。合意形成をめざし奮闘中です。
また宝工業所(刈谷市)分会は、主に本部とともに取り組んでいますが、三河にも関係が深いこともあり、三河支部も交流しています。労働条件面で、契約の明示を求めると有期契約との文書を提示されたことを問題にしたり、賃金面での改善要求をしたり、しています。
このように、ブラジル人分会は、おおむね、雇い止めを許さず、職場での日本人正社員との「均等・均衡待遇」に関わる課題や、職場環境の改善の実現をめざして奮闘中です。他方で、日本人分会であるりた(岡崎市)分会は、分会員のパワハラ・雇い止め問題をめぐり、団交を重ねてきましたが、県労働委員会にあっせんを申請し、9月24日にあっせんが行われます。県労働委員会の現状については、改善の闘いをユニオンも取り組んでいますが、このような闘いにも支えられ、奮闘中です。パワハラ問題はユニオン全体においても、日本人からの労働相談などでもしばしば問題になってきており(ブラジル人も暴言を浴びたりと、パワハラに遭ったりもしていますが)、14日にホットラインを取り組んだように、社会的にも問題にしていく必要があります。
また、個人単位では、派遣会社トレンドのスタッフとして不払い残業を強いられてきたブラジル人の裁判を継続中ですが(次回は10月15日)、不払い残業問題も、日本人も含め、ユニオン全体でも問題になっています。不払い残業・長時間労働・人手不足・疲労蓄積による肉体的・精神的疾患、が絡み合っているのも深刻な問題です。脳・心臓疾患の労災認定基準が新たに(20年ぶり!)に見直され15日から運用がはじまったそうですが、過労死ライン以外も認定基準としてもっと考慮すべきとの方向性で、労災として認められることも大事ですが、コロナ禍もあり、過労死や予備軍に至らないよう、がんばっていく必要もあります。
問題は大きいですが、その中で、三河でも取り組みを進めています。皆さん、がんばりましょう。また、碧海工機闘争へのご支援、ありがとうございます。