映画鑑賞交流会を開催

 7月3日(土)午後6時より、ユニオン事務所にて、映画鑑賞交流会を開催しました。今回はケン・ローチ監督により2019年に制作された『家族を想うとき』を鑑賞したのですが、ユニオン事務所参加とともに、Zoom参加もできるようにし(ただし、映画は別に「自助」で鑑賞しておいてもらうこととし)、午後8時からの交流会で同時参加で交流しあう、というかたちをとりました。全体で10名規模の参加で、映画の感想交流も活発で、意義ある企画となりました。

 

 

 

 映画は宅配ドライバーとして「個人事業主:扱いで働く父親、訪問介護に奔走する母親が激務に追いまくられ、寂しがる息子は反抗的な、学校から遠ざかっていき、娘は悩みを抱えていく、という、労働と家庭生活とが破綻していく姿を主に描いていた、というので、基本的に観ていてしんどい映画でした。実際、感想でも、日本の、そしてユニオンが直面している現実と重ね合わせざるを得ず、そこからの感想が多く出されました。ただ、基底にある家族の絆と、散見されたユーモアとが、ほっとするところもある、という感想も出されて、ユニオン員として基本的に感じるところは類似してはいたものの、それぞれ個性的にいろいろと違いもあって、映画を通じても交流しあえたところは、良かったのではないでしょうか。

 

 

 

 ちなみに、この日は午後、表現の不自由展関連の催しも持たれたり、筆者は午後1時からEテレで、生活困窮者支援に奔走している稲葉剛・小林美穂子夫妻の姿に密着した『こころの時代』を観たり、というような、関連する出来事もあったりしました。ユニオン員が個人的にかかわっている件をここで持ち出しますが、前者については、このケン・ローチのような労働者階級・左翼の立場を示している監督の映画が表現として尊重されている現実が、しかし壊されつつあることにも連なるという意味、後者については、この番組は宗教色を打ち出した番組なのですが、そこで生活困窮問題に関して、「支援」する側の立場や、内面にも焦点を当てているところが、問題の累積と活動の「大変さ」の中で、ユニオンに参加してそれぞれなりに奮闘している私たちにも通じたところがある、という意味で、今回の映画にも関連していたということです。何事も相対化して軽く、うまく、切り抜けようとすることと個人的に暗黒を抱え込んでいることととを共存させていることが今風の文化状況の絶望的な姿なのかと勝手に思わなくもないですが、え、「うっせえわ」、ですか? 困ったもんだ。

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