ブラジル人分会員が提訴・ユニオン全国同時アクション

 2月21日(金)午後2時、自動車部品を製造する浅賀井製作所(安城市)分会の5名のブラジル人組合員が、非正規労働者として長年、日本人正社員と同様の仕事をしてきたにもかかわらず、基本給も賞与もかけ離れていることに対し、時効にならない2016年10月から3年間の差額分の損害賠償を求め、名古屋地裁で提訴をしました。中谷雄二(名古屋共同法律事務所)・村田浩治(堺総合法律事務所)・仲松大樹(みずほのまち法律事務所)弁護士と支援の組合員とともに、訴状提出後、司法記者クラブにて記者会見を行ない、午後3時に終了しました。

 

 

 

 記者会見には朝日・読売・毎日・中日・日経・共同のマスコミ各社が参加しました。訴状を配布した後、原告の分会員と弁護士、三河支部長が、提訴に至った事情説明と、訴えの趣旨を述べました。そこでは、以下の点が明らかにされました。すなわち、原告5名は10年ほどから20年ほどの長期にわたり雇用され、経験豊富で日本人と同じかそれ以上の能力を持っているにもかかわらず、日本人のように正社員になることもできず、1名は準社員どまりで他は契約社員として契約更新を続けてきました。そして一昨年、有期雇用労働者と正社員の不合理な待遇差を認めないとした一昨年の最高裁判例が出されたのを受けて、ユニオンで団交を行なってきたのですが、会社は通勤手当の支給や、無期雇用への転換は認めたものの、正社員との賃金差別は認めず、是正の姿勢を見せませんでした。しかし、準社員の1名は日本語も堪能で会社の3分の1を占める外国人労働者(ほとんどが契約社員)が勤務するうえで不可欠な役割を果たし、他の4名も、日本人と混在して同じか、それ以上のプレス作業をこなしているにもかかわらず、正社員は日本人だけ、外国人はほぼ契約社員というように、別枠扱いにされ、賃金も格段の差があろばかりか、その差も、昇給もほとんどないので開くばかり、となっています。これは、労働契約法20条違反であるばかりか、むしろ、国籍による差別を禁じた労働基準法3条にさえ違反する重大な賃金差別をもたらしているので、この不法行為に基づく損害賠償請求を行なうこととした、このような国籍による賃金差別を問う裁判は、過去前例がほとんどないような、画期的な裁判だ、としました。

 

 

 

 この説明を受けて、記者からは次々と質問が出され、活発な質疑応答となりました。記者の方々の理解も得られ、意義ある記者会見となりました。

 

 

 

 そして午後6時からは、事務所に近い、名駅前で、全国ネットの呼びかけるユニオン全国同時アクションの一翼を担い、宣伝行動を行ないました。このアクションは、「残業しなくても生活できる賃金を! 最低賃金今すぐ全国どこでも時給1000円に! そして時給1500円をめざそう!」というスローガンで取り組んだのですが、私たちは10名規模で、「生活できる賃金を! 最低賃金どこでも1500円に!」と記した新調の横断幕と当ユニオンののぼりを掲げ、最低賃金引き上げを訴えた全国統一チラシに、当ユニオンの広報担当者会議(18日にも開催)に参加した組合員の奮闘を基に作成した当ユニオンを紹介したリーフレットを挟んで配布しつつ、マイクでの宣伝をかわるがわる行ないました。宣伝では、最低賃金引き上げの必要性、否定的な意見への反論、非正規春闘の一環としてのこの取り組みを含め、低迷する春闘の再興の必要性、近くにビルがある某社での労働体験に基づいた発言など、さまざま、個性と創意に富んだ発言が続きました、配布物の受け取りも良く、通行人の中で、反応したり、受け取ったりする人も比較的多く、参加者と会話する人も出てきたりもしました。1時間の宣伝行動でしたが、これも有意義な取り組みでした。

 

 

 

 両者とも、当ユニオンとしての、春闘でもあります。とはいえ、春だけでなく、今後闘い続けなければなりません。15日(土)に行なった『ふれあい通信』の製本・発送準備作業は、やや少なめの人数でしたが、この不可欠な作業で毎月組合員の皆さんに届くこの『ふれあい通信』での報道や、その他さまざまな手段で情報発信を、組合内外で行ないつつ、闘いを広く強くしていきましょう。そのために、組合員は団結の力を発揮して、がんばりましょう。

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